保育士の役割分担とは?複数担任制で支える安心・安全な保育
保育施設における保育士の役割分担は、子どもの生活全般の支援を基本としつつ、役職や担当に応じて多岐にわたる専門的な業務に分かれます。
子どもの生活全般を支援することを基本としながら、役職や担当に応じて多岐にわたります。
ここでは、保育園での役割分担の仕組みと、その目的やメリットについてご紹介します。

担任制と複数担任制の違い
保育園では、基本的に担任がクラスを担当しますが形態は2種類あります。
- 1人担任制:ひとりでクラス全体を担当
- 複数担任制:複数の職員で1クラスを担当
特に0~2歳児クラスでは複数担任制が多く採用されます。
厚生労働省の基準では、0歳児は子ども3人に保育士1人以上、1~2歳児は子ども6人に保育士1人以上と定められています。この配置基準に基づき、くじら保育園都島東野田園でも複数担任制で保育を行っています。
複数担任の役割分担
複数担任の役割分担は、とても大切な事でスムーズなクラス運営のために重要になります。
保育士のリーダー・サブ・雑はどういう意味がある?
複数人でひとつのクラスを受け持つのに、保育士それぞれの考え方がばらばらではクラスがまとまりません。
そこで、役割分担の登場になります。
全体を統括する「リーダー」
クラス全体の活動を主導し、子どもの前に立って進行する中心的な役割。活動内容の決定や声かけを行う。
リーダーを補佐する「サブ」
活動内容の決定や声かけを行う。
リーダーやサブが活動しやすいように目を配る「雑」
活動のための環境設定、遊具の準備・片付け、掃除、消毒など、クラス運営を支える雑務全般を担当する。
フリー保育士
特定のクラスを持たず、全園児・全クラスのサポートや、急な欠員時の対応、行事準備などを担当する。
調理職員も保育に欠かせない存在
さらに、調理職員も保育に欠かせない存在です。
- 栄養士:献立作成・栄養管理・食育
- 調理師・調理員:調理・仕込み・衛生管理・配膳・洗浄・清掃
役割分担は園の規模や職員体制でも異なります。
保育士との情報共有と連携が不可欠で、栄養士の指示のもと調理師・補助員が連携して、安全でおいしい給食・おやつを提供し、食育も担います。
それぞれが役割を理解して保育をすると、保育士同士も仕事がしやすくなり、子どもたちも安心して日々の活動できます。

主任保育士の役割
園全体を取り仕切るのが主任保育士です。
主任保育士は、園長と保育士どちらの立場も理解しながら、保育計画の作成・指導、各クラス間の調整役、保護者対応の責任者など、現場の中心的な役割を担います。
主任保育士は、必要不可欠な存在であり、保育園運営に欠かせない縁の下の力持ちです。

役割分担の目的とメリット
役割分担には次のような目的と効果があります。
目的
- 安全性と質の向上
- 業務負担の軽減
- 効率化と責任感
- 保育の幅を広げる
メリット
- 業務負担の軽減:準備、片付け、事務作業などを分担できる
- 安全性の向上:複数人で子どもの様子を見守り安全を確保することができ、事故防止や異変の早期発見につながる。
- 保育の質向上・多様化:複数の視点から子どもの個性や発達段階を把握し、よりきめ細やかな保育が可能。
- 職員間の連携強化:相談しやすくなり、情報共有を通じて保育の質を高められる。業務を分担することで、各担当が責任を持って業務に取り組み、効率が上がる。
- 精神的負担の軽減:負担が特定の職員に偏ることがなく一人で抱え込まず、同僚と協力できる。
役割分担は、地域や園の規模などでも内容や状況など異なることも多々あるかと思いますが、基本の軸は「子ども達が安心・安全に園での生活を送る」ことから、保育の質向上・安全面・職員間の連携・業務負担軽減に繋がります。
現場の声から見える効果
東野田園の職員からは、次のような声が寄せられています。
- フリーの先生が入ることで、クラス全体の動きがスムーズに回り、担任の目が届かない部分まで丁寧に見てもらえるのがとても助かっています。
- やるべきことが明確になり、担任は保育にしっかり集中でき、役割分担によって責任も持ちやすくなっています。
- 一方で、子どもが指示待ちになっていたりパートの先生に甘えてしまう面が課題です。
- 普段から声を掛け合い、連携を取りながら動けていることで保育が進めやすくなっています。
- 全体をきめ細かく見て支えてもらえていることで、保育に集中できると感じています。

