異年齢保育の目的と効果|大規模園で育む思いやりと社会性
社会性を育てていくうえで大切な経験を!
年齢の垣根を越えて学び合う保育環境
くじら保育園天王寺園の保育では、異年齢保育を取り入れています。具体的には、3歳・4歳・5歳の⼦どもたちが学年の壁を越え、約15名ずつ3クラスに分けて⼀緒に活動をします。
子どもたちが社会に出れば、異年齢の他者と接する機会は多くなります。幼児期からさまざまな年齢の子と関わる場を設けることで、協調性や社会性といった必要な能力を養うことができ、年下の子が年上の子から遊びのルールを学んだり、年上の子に年下の子が言葉を教えたりと、刺激し合いながら成長すれば、他者への思いやりの心を育むきっかけにもなります。これらの理由から当園では、互いに学び合える保育環境を整えています。

なぜ今、異年齢保育が必要なのか?

少子化の中、近所の子ども同士で遊ぶケースも少なくなりました。保育園が初めての集団生活の場となり、さまざまな能力を育む大切な場となることが考えられます。
異年齢保育を通して人との接し方やコミュニケーションの図り方を学び、年下の子が年上の子の挑戦する姿を見れば、チャレンジ精神が育つことにもつながります。
また、言葉の理解が難しい年下の子に対して、年上の子は考えを巡らせながら相手に気持ちを伝えようとする姿も見られます。このように異年齢保育はさまざまな場面で多くの能力が育まれ、統合して生きる力を培うことができます。
異年齢保育のメリット

異年齢保育の大きなメリットは「他者を尊重する心を養うことができる」という点です。
異年齢の子が集まることから、「年下の子がわかるようにルールを簡単にして鬼ごっこしよう」「年上の子は歌が上手だから私もそうなりたい」などお互いの言動や行動が刺激になることが考えられます。
そのため、他者を敬い、思いやりの気持ちを持って接することの大切さを学ぶ場となります。

コミュニケーション能力が高まる

異年齢保育では、自分と異なる年齢の子ども同士で多様な価値観を受け入れながら関わる必要があり、年齢差を乗り越えていっしょに過ごすなかで、コミュニケーション能力の向上につながります。
友だちの輪が広がる
一人ひとりが互いの成長の違いを感じながら活動することで、豊かな人間関係を形成する力が身につきます。異年齢の友だちと関わりながら、年齢に関係なく友だちを作るスキルが身につくようになります。
協調性や社会性が育まれる
異年齢同士でいっしょに過ごすなかで年上の子どもがリーダーシップを発揮し、年下の子どもは刺激を受けて新たな言葉を覚えたり遊び方などのルールを学んだりする環境のなかで、協調性や社会性が育まれます。
相手を思いやる心が育まれる

年上の子どもは、年下の子どもと価値観や行動範囲などが違っても、成長の違いを受け入れながら思いやりの気持ちを持って接する必要が生じてきます。年下の子どもは年上の子どもと関わる経験を通じて、相手の気持ちに寄り添って行動する大切さなどを学ぶことができます。
自己肯定感が高まる
同年齢の子どもとだけいっしょに過ごしていると、友だちと自分を比較してできないことに対し劣等感を感じてしまう姿も見られますが、異年齢の子どもといっしょに活動する環境下では、年上の子どもの姿を見ながら、年下の子どもは成長したらいろいろなことができるようになると希望をもち、見て真似て、前向きに取り組む姿が見られます。自己肯定感の向上につながります。
さまざまな活動に興味をもつ

先に述べたように、異年齢保育では、年上の子どもが楽しんでいる様子を見て下の子どもが真似をする場面があります。年上の子どもが少し難しい活動に取り組んでいる姿を見て自分も挑戦したくなるなど、年下の子どもが自発的に興味をもつきっかけにつながります。年上の子どもにとっても、これまで得意ではなかった活動でも年下の子どもに教えながらいっしょに取り組むことで、改めて関心をもつきっかけとなり、「もう一度やってみよう!」と苦手なことにチャレンジする姿も見られます。
